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観光客「キャンセル料かかるので予定通り来た」…「ステージ3入り」指摘の札幌 - 読売新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大傾向が続く中、3連休が21日に始まり、北海道内の観光地では、感染対策を取りながら旅行を楽しもうという道外客の姿が見られた。一方、菅首相は「Go To トラベル」で、感染拡大地域を目的地とする旅行の新規予約を一時停止すると表明。観光関係者からは、今後への懸念の声が聞かれた。

 政府の対策分科会の尾身茂会長が20日に「感染急増回避の対応が必要な(国の)『ステージ3』に入っているとみられる」と指摘した札幌市。JR札幌駅は、隣接する商業施設が21日から営業時間を短縮したこともあり、同日は静かな朝を迎えた。

 午前10時頃の駅は、札幌から道内各地へと向かう列車に乗り込む人がまばらだった一方、キャリーケースを手に降り立つ観光客の姿が目立った。

 3連休で札幌や小樽を巡るという大阪市の会社員男性(32)は、「北海道の感染者が増えていて行くかどうか悩んだ」といい、「夜は出歩かないようにして、感染防止に気を付ける」と表情を引き締めていた。

 「トラベル」事業を利用した旅行で、札幌市中央卸売市場(中央区)の場外市場に立ち寄ったさいたま市の会社員男性(29)は、「予約を取り消すとキャンセル料がかかってしまうから、不安もあったけれど予定通り来た」と話した。勤め先には札幌に行くことは伝えなかったという。

 市郊外にあるさっぽろ羊ヶ丘展望台(豊平区)はこの日の来場者が760人で、田中義信支配人は「3連休の初日としては少ない」と嘆いた。

 普段、利用客の7割は道外からといい、札幌市が「トラベル」事業の一時停止の対象地域になれば、厳しい状況に追い込まれるという。ただ、田中支配人は「感染者を増やさないという原点に返って、改めて気持ちを引き締めるのも大切ではないか」と理解も示した。

 小樽市の小樽運河近くも、連休の割には閑散としていた。兵庫県西宮市の40歳代の会社員女性は、「感染拡大を受けて、旅行先を札幌から小樽に変えた。『Go To トラベル』で安く北海道を旅行できてよかった」と笑顔を見せた。妻と訪れた福岡市の男性(42)は「手洗いうがいを徹底して旅行しています」と話した。

 土産物を販売する「大正硝子がらす館本店」では、ハロウィーンのイベントがあった10月から徐々に売り上げが回復していたという。金塚貴広店長(32)は、「札幌を経て小樽を訪れる観光客は多いので、たとえ札幌だけが事業の対象から外れたとしても不安が残る」と話した。

 大空町の東藻琴高校の生徒が授業で作った農産品や加工品の販売会「東高交流マルシェ」が21日、同町の「道の駅メルヘンの丘めまんべつ」で開かれた。ただ、全道的な新型コロナウイルスの感染拡大を受け、販売は生徒の参加を見送り、教員らが代わりを務めた。

 同校は町立の農業高校。ソーセージやみそといった加工品や花などを販売した。

 販売会に向けて生徒たちは、値札を貼ったり、レジ打ちの練習をしたりして準備してきただけに、同校教諭の八尾健太郎・副農場長(32)は「楽しみにしていたので、残念そうだった。安全が第一なので仕方がない」と話していた。

 販売会は例年、町のイベントへの出店なども合わせて年12回ほど開いている。今年度はコロナ禍で、12月5日に同校で開く次回の5回目で最後となる。生徒が参加するかは状況を見て判断するという。

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